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Paclitaxelとcarboplatinによる術前化学療法が有効であった胸腺腫の1例

■巻ページ:高知市医師会医学雑誌第14巻第1号  99~105頁 2009年
■表題 :Paclitaxelとcarboplatinによる術前化学療法が有効であった胸腺腫の1例
■title:A case of thymoma markedly improved by preoperative chemotherapy using paclitaxel and carboplatin
■著者:稲山真美
■共著者:日野弘之、岡野義夫、町田久典、畠山暢生、篠原勉、元木徳治、大串文隆

■要旨(はじめに)
症例は51歳男性。生来健康であった。胸部打撲後の胸部レントゲン写真にて,左上縦隔に腫瘤状陰影を認め,CTガイド下針生検にて胸腺腫と診断された。80mm×70mm×85mmと巨大腫瘤であり,また心膜,大動脈,胸壁への浸潤が疑われ,正岡分類Ⅲ期と診断し,paclitaxel+carboplatinによる化学療法を2コース施行した後,胸腺胸腺腫摘出術,肺部分合併切除術を施行した。摘出病理組織所見では,腫瘍は完全に凝固壊死に陥っていた。肺がん取扱い規約に則り,Ef.3著効と判断した。正岡分類Ⅲ期の胸腺腫の場合,Neoadjuvant Chemotherapyが行われることが多い。胸腺腫においては完全切除が最も有意な予後決定因子であるため,術前化学療法により完全切除率を上げることが胸腺腫の治療成績向上につながると考えられるが,そのレジメの確定したものはない。今回我々は,paclitaxel+carboplatinによる術前化学療法が奏功した一例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。

■Key words:胸腺腫,術前化学療法,胸腺胸腺腫摘出術
■備考:いなやま まみ 〒780-8077 高知県高知市朝倉西町1丁目2番25号 独立行政法人国立病院機構高知病院 呼吸器科