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再発性多発軟骨炎の1例

■巻ページ:高知市医師会医学雑誌第14巻第1号  116~120頁 2009年
■表題:再発性多発軟骨炎の1 例
■title:A case of recurrent multiple chondritis
■著者:香川美和子
■共著者: 大塚晋作、稲山真美、岡野義夫、畠山暢生、町田久典、小松幸久、元木徳治、篠原勉、大串文隆

■要旨(はじめに)
症例は63歳女性。2005年,繰り返す耳介軟骨炎を契機に当院皮膚科を受診。再発性多発軟骨炎と診断され,predonisolone(PSL)30mg/dayより投与を開始された。耳介軟骨炎が軽快したため,PSLを減量中であったが15mg/dayとなった2007年4月頃より咳嗽,咽頭痛,発熱が出現したため,同年6月当院内科を受診された。気管支肺炎の診断でlevofloxacin 400mg/dayで加療され,解熱したが,咳嗽,炎症反応に改善はなく,精査目的で当院呼吸器科に入院となった。胸部X線・CT検査では気管・気管支壁の肥厚があり,再発性多発軟骨炎の再燃により気管・気管支軟骨の炎症が生じたと考えられた。入院後,PSLを40mg/dayに増量し,cyclosporine 100mg/dayを併用した。症状の消失,画像所見における気管・気管支壁の正常化,炎症反応の改善を認めた後,PSLを2週間毎に10%ずつ減量したが,PSL 30mg/dayとなった時点でも再燃を認めなかったため,約7週間の入院で退院となった。以後も外来にてPSLを徐々に漸減し,現在12.5mg/dayであるが呼吸器症状の増悪は認めていない。再発性多発軟骨炎は稀な疾患で,確立した治療法がなく治療に難渋することが多いが,本症例はPSLと免疫抑制剤との併用により改善がみられたため,文献的考察を加えて報告する。

■Key words:再発性多発軟骨炎,気道狭窄,cyclosporine
■備考:かがわ みわこ 〒780-8077 高知市朝倉西町1丁目2番25号 独立行政法人国立病院機構高知病院 呼吸器科