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膵全摘術を選択した十二指腸乳頭部癌の1例

■巻ページ:高知市医師会医学雑誌 第10巻 第1号 251~255頁  2005年
■表題:膵全摘術を選択した十二指腸乳頭部癌の1例
■ title:A case of total pancreatectomy for cancer of the papilla vater
■著者:八木誠
■共著者:西村公男、中村敏夫、梶浦耕一郎、福井康雄、谷木利勝、岡本耕一、曽我部正弘、大喜田義雄、林広茂、 沼本敏、松坂聡

■要旨(はじめに)
症例は糖尿病を有する64歳の男性で,閉塞性黄疸にて入院。 精査の結果腫瘤潰瘍型の十二指腸乳頭部癌と診断された。 9 年前に冠動脈バイパス術を受けており,心エコーにて駆出率は38%と低く,冠動脈造影で3枝共に末梢の動脈硬化は著明であった。 冠動脈にまつわるリスクが極めて高いと考え,術後合併症の生じ易い膵頭十二指腸切除術を敢えて避けて,膵全摘術を行った。 術後は一貫して発熱もみられず,4 日目から経口摂取が開始され,11日目で点滴フリーとなり28日目に退院した。 術後6ヶ月の現在,インスリン自己注射を行いながら,元気に外来通院中である。  生涯インスリン使用という大きな代償を払いはするものの,周術期のリスクが極めて高い場合,乳頭部癌に対しても膵全摘術は大きな選択枝のひとつと考えられた。

■Key words:十二指腸乳頭部癌,膵全摘術,周術期リスク
■備考:やぎ まこと  〒780-0850 高知市丸ノ内 1-7-45 高知県・高知市病院組合立 高知市民病院 外科