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子宮頚癌との鑑別が困難であった直腸癌の1症例

■巻ページ:高知市医師会医学雑誌 第10巻 第1号 243~246頁  2005年
■表題:子宮頚癌との鑑別が困難であった直腸癌の1症例
■ title:A case of rectal cancer difficult to differentiate from cervical cancer
■著者:多賀茂樹
■共著者:徳毛敬三、長谷川俊水、志摩泰生、堀見忠司

■要旨(はじめに)
症例は62歳,4 回経妊2回経産。 平成13年10月,性器出血を主訴に近医産婦人科を受診し,子宮腟部 punch biopsy の結果 endometrioid adenocarcinoma で当科を紹介された。 当科初診時,腟鏡診で子宮腟部は直径約5cmの表面に糜爛を伴う腫瘤状であり,外子宮口は不明であった。 直腸診で直腸前壁に突出する硬い腫瘤を触知した。 子宮腟部細胞診は class V, adenocarcinoma で子宮頚癌Ⅳ期と診断し入院となった。 入院時検査所見は,腫瘍マーカーは CEA 1.4 ng/ml,TPA 89.3 U/l で正常範囲,SCC は 2 ng/mlでやや高値を示し,骨盤 MRI および CT で膀胱直腸浸潤が疑われた。 化学療法 (CAP 療法) を3コース施行した後,腹式単純子宮全摘術,両側附属器摘出術および腹会陰式直腸切除術を施行した。 術後の病理組織検査にて,大腸と子宮頚部に腫瘍を認めたが,腫瘍の主体は大腸,ことにその内腔面にあり,子宮頚部の腫瘍は深部に主体があって本来の頚管には腫瘍性所見は見られず,大腸癌の子宮への浸潤と診断し,外科転科となった。

■Key words:子宮頸癌,直腸癌
■備考:たが しげき 〒780-0821 高知市桜井町2丁目7-33 高知県・高知市病院組合立 高知中央病院 産婦人科